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●2013年7月「本当に使える行動計画の考え方」

●2013年7月「本当に使える行動計画の考え方」

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2013年7月「本当に使える行動計画の考え方」

中小企業診断士:平田 仁志

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色々と中小企業の社長には難しいことの多い毎日かと思います。アベノミクスで世の中の雰囲気は、少しは良くなったようですがなかなか中小企業までは回ってきていません。
リーマンショックを境に減少した売上がまだまだ元に戻っていないという企業も多いと聞いています。このような困難な状況で、どうやったら経営を改善できるかと言うことは難しい問題ですね。

金融機関に計画を出してくださいと言われて、なんとか作って出したけど、その計画の達成にはなかなか自信が持てないということも多いでしょう。

どうしたら計画に書いたことを実行でき、目標が達成できるのかと言う観点から、行動計画をどう作るか基本的な考え方について書いてみたいと思います。

1.行動計画は数字の計画をどうやって達成するか筋道を示すもの

会社の計画と言うと数字の計画がまず思い浮かぶと思います。売り上げをどの位増やして、そうすれば利益はどの位になるから必要な設備をどうして、その前に給料も少しは上げて、と言うような形ですね。

あるいは、売上は増えるはずもないから横ばいとすると、利益は増えないが借入金の返済はしなければならないから、給料引き下げもしなければならないか、というパターンも有るかもしれません。

その数字の計画だけを作って意味が有るでしょうか。意味が有るか、というのはそれを使う人にとってです。
まず社長です。数字をにらんでいても何も変わりません。
そして金融機関にとってはどうでしょうか。数字だけの計画を受けとっただけでその計画が実現すると確信できるはずも有りません。
と言うのはその数字がどうやって実現できるのかについて何も書かれていないからです。

数字を実現するために何をするか、です。
そこで、行動計画です。誰が何をいつまでにどうする、と言うことを積み重ねて、これだったら売上計画も達成できるだろうと、まず社長が自信を持てる。社長が自信を持って説明できるので金融機関もなるほどと納得する、という計画の実現可能性を担保するものが行動計画です。

多くの金融機関が行動計画を求めています。
それはそうですよね。この数字を達成するために頑張ります、と言われても頑張るだけだったらこれまでも頑張っていたでしょ? どこが変わるのですか、と聞きたくなりますよね。

行動計画は数字の計画をどうやって実現するのか、という筋道を示すものです。筋道がはっきりしているので、できるかどうか、どのくらいの可能性が有るかが判断できるのです。

2.行動計画の作り方 目標を具体的な行動に分解する

それでは行動計画はどのように作るのでしょうか。
これが行動計画ですと言って見せていただくと時々いつまでに売上をいくら増やします、と書いてあることが有ります。
これは単なる目標です。その目標をどうやったら達成できるか、が書かれていなければなりません。

売上を増やすという目標達成のための行動を考えてみましょう。
どんな商売かによって変わってきますので、小売店の例を考えてみます。
小売店の売上はどんなことで決まるのでしょうか。
前を通るお客様の中で当店にお立ち寄り頂けるお客様の数、立ち寄っていただいたお客様の中で実際に商品を購入してくださったお客様の数、購入してくださったお客様の平均買い上げ金額と言う具合に分けて考えていきます。

お立ち寄りいただけるお客様の数を考えると、何度も繰り返し来店いただけるお客様が多いほど数が増えそうです。
このように考えると売上を増やすという目的のための行動計画には以下のようなことが書いてなければなりません。
@ 来店客を増やすために何をするか
A 来店客の中でお買い上げいただけるお客様をどのように増やすか
B 一人当りお買い上げ金額をどうやって増やすか

上記の中で何が最も重要かはそのお店の置かれた状況によります。人通りの多い駅前の店と、あまり人通りが無い住宅街の店では重点を置くことが変わるでしょう。
人通りの多い駅前の店はリピート客も大事ですが、たまたま店の前を通りかかった人が立ち寄りたくなるようなお店にすることが重要かもしれません。
住宅街のお店では前を通る人は大体決まっているので、見かけより商品の充実の方が大事になるでしょう。

上記3つの項目の中でどれが一番弱いかも当然調べる必要が有ります。
それによって上記3つの項目のどれを改善すれば一番効果が上がるかが変わってきます。

漠然と売上を増やすためにどうしたらよいかと考えているよりも、この3つの項目ごとの打ち手をどうしようかと考える方が具体的な行動を考えやすくなっています。

目標を達成するための行動を考えるときは、目標達成のための要素に分解して考えましょう。
立ち寄り率かお買い上げ率か、あるいは一人当り購買単価か、に分けて考えるのです。

経費削減目標を達成するためにどうするかを考えるときもそうです。経費全体の金額をどのくらい減らすか、と考える時、人件費なのか配送費なのか、あるいは水道光熱費なのかと考えるのと同じです。経費の場合は経費項目に分かれているし、自分で使っているお金についてなので考えやすいということは有ります。

それでも、例えば人件費を減らそうとしたとき、全員一律に一定割合で下げるのか、誰の給料を減らすのか、あるいは誰かに辞めてもらうのかと色々な方法が有ります。どのように減らすかによって、業績への影響も考えなければなりません。

全員何割削減と言うのは一時的であれば簡単ですが長期化すると社員のモチベーションの低下につながり、売上が減少して、更に人件費を下げなければならなくなるというようなことも起こります。

人件費を下げる場合は、方法は何であっても給料が下がる人には誰かが何らかの方法で伝えなければなりません。誰がいつどのようにして伝えるかも決めておく必要が有るでしょう。

3.行動計画は仮説である やってみて初めて効果が分かる

さて、小売店の売上高を上げる方法に戻ります。
来店客の数を増やすということを考えます。
当店は駅近くの人通りの多い商店街にあるのですが、特に店の前を歩いている人の中に多い若者の来店客が少ない、と言う状況であったとします。

そこで、次のようなことを考えました。
@店内の照明が暗かったので、明るくして陳列された商品が通りかかった人に見えやすくする。
A店の前を通る人は若者が多いのに、品ぞろえが高齢者向けに偏っていたので、若者向けの品ぞろえを充実する。
B店員が店の奥で客を待っていたのを改め、商品に興味を示した人には積極的に声をかける。

照明を明るくするというのはあまりお金をかけなくてもできます。品揃えの変更するために必要なことはなんでしょうか。若者向けにどんなものが売れているか調べることから始めなければならないでしょう。
積極的に声をかけるとして、これまでやったことがない店員にどうしたらやってもらえるでしょうか。
上記のようなことを考えて、やるべきことを決めていきます。

ここで大事なことはやるべきだと考えたことをやったからと言って効果が出る保証はないということです。それでも、効果が出るはずだと思ったらやらなければなりません。効果が出ることが確実だということがわかるまで待っている暇はないのです。効果はほとんどの場合やってみなければわかりません。現状を変えて事態を改善するためにはやってみるしかないのです。

行動計画でやると決めるということは、やったら目標に近づけるはずだ、と言う仮説を立てるということです。考えて考えて考え抜いた後だとしてもあくまでも目標達成のために有効だと考えた仮説であり、成功が保証されているわけではありません。
やってみなければ分からないのです。

やってみなければ分からないのだったらやらない、と言うのでしたら、現状のままでいるということになり、だんだん悪化していく経営状態を手をこまねいて見ているということになってしまいます。

大事なのは、仮説としてこうすればよくなるはずと行動計画で決めたことを真剣にやってみた結果を評価して、うまくいっていなければその原因を追究し、柔軟に修正して改めてやってみることです。このプロセスを成功するまで繰り返します。

松下幸之助さんも、成功する人は成功するまで何度失敗してもあきらめない人だ、と言っています。
このプロセスを繰り返すことで、成功に早く近づける仮説を立てられるようになります。

このプロセスをきちんと繰り返してきた業歴の長い会社では、事業環境が変化しても、何をしたら効果が出るかを判断する根拠が蓄積されているから、早く環境の変化に対応して変われるのです。業歴の長さが経験の蓄積として強みになっています。

このプロセスを繰り返していない会社ではいつまだ経っても行き当たりばったりの対応しかできません。

まとめ 数値計画を実現するための仮説として行動計画を立て、目標を達成できるまでやり直す

行動計画は何をして計数計画を達成するかの道筋を示すものです。何をしたらどのくらいの効果が出るか、正解はだれにも分かっていないのです。経営者が仮説として、こうやったらこうなるはずだと決めるものです。いったん決めてもやってみて効果が出ないようだったら何が足りないかを検討し、修正して改めてやってみるのです。そのプロセスを真剣に何度も繰り返した会社が強い会社になるのです。

強い会社は確度の高い行動計画を作ることが出来ます。どんな会社でも強い会社になれます。

シグマックスパートナーズ 代表・中小企業診断士 平田 仁志

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