特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2013年4月「創業支援〜不動産賃貸借契約に注意!」

●2013年4月「創業支援〜不動産賃貸借契約に注意!」

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2013年 4月 「創業支援〜不動産賃貸借契約に注意!」
中小企業診断士:二上 恵治

メールはyia00555@nifty.comまで願います。


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某基礎自治体で年間20件前後の創業者向け制度融資の指導と紹介に取り組んでいます。

土地柄飲食業が比較的多いのですが、飲食業で融資が実行されるためには不動産物件の取得(賃貸の場合は賃貸借契約書締結)が必須となります。ここでは、2つの例を挙げて不動産物件取得の重要性を考えてみたいと思います。

<事例1>1次借主に騙された日本蕎麦店

有名店で5年間修業し、店主から暖簾分けを許された20代後半の女性が相談に現れたのは、賃借物件が決まり、既に工事が始まろうとしていた時期でした。事業計画を確認し、一通りの書類の説明を終えた最後に不動産賃貸契約の話となり、制度融資には物件オーナーとの契約書(転貸借の場合はオーナーの了解書類)が必要な旨を伝えると、「大丈夫です」という言葉を残し、最初の面談を終えて帰られました。

しばらくして2度目の面談に現れた彼女の顔色は、蒼白でした。契約書のオーナー署名欄には一次借主、仲介者欄には一次借主の知り合いの不動産屋が署名しており、本当のオーナーは全くこの契約に関与していない事実が判明したのです。

オーナーの住居が物件から遠く、頻繁に現れないのをいいことに、不動産屋と結託して転貸し契約を結ぶ算段でした。オーナーは現在の賃貸借契約終了後に大掛かりな耐震補強工事を予定していました。

既に工事は八割方完了していましたが、当然ながら工事は差し止められ、女性の開業は頓挫し、一次借主と不動産屋を相手取り、裁判で係争することとなりました。

<事例2>業務受託のイタリア料理店

複数の著名イタリア料理店で厨房、ホール、店長を歴任した後、本場イタリアで料理店をはじめ肉屋の加工場やワイン作りまで経験した30代後半の男性が、都内で複数店舗を展開する飲食店運営会社から、そのひとつの店舗を業務受託契約で譲り受ける形での創業案件の事例です。

物件は運営会社が取得したまま、この創業者が月額固定の受託料を支払う契約書が取り交わされていました。事業コンセプトはしっかりしており、収支計画や資金繰りを中心に指導し、1ヵ月後に紹介状を出しました。

紹介後、1ヶ月半たっても連絡がないため、本人に電話したところ、「保証協会から、『物件オーナーの使用許可の一筆があれば、保証可能』と言われたが、オーナーがどうしてもOKしてくれなかった」とのこと。

結果として、制度融資は実行されませんでした。しかし、この話には後日談があります。紹介先金融機関がこの案件に理解を示し、低利のプロパーで満額融資が実行さました。

手前ミソになりますが、創業者からは「事業計画をブラッシュアップしていただいた先生のおかげで借りられました」と丁重な御礼の言葉を頂きました。店舗は各種雑誌の取材を受け、順調に展開中です。

2つの案件から得る教訓と言えば、創業融資案件では「物件の確実な取得が最優先」ということです。

飲食業以外でも、物件オーナーの了承を得ずに知り合いの会社事務所の一角を借りて、会社登記をする例が多く見受けられます。

中小企業診断士など相談や指導する立場にある者は、@物件の取得状況を真っ先に創業者に確認する、A業務受託など微妙な案件の場合は必ず保証協会に確認する、という手順を怠らないことが大切です。

中小企業診断士:二上 恵治

メールはyia00555@nifty.comまで願います。


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