特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2012年4月「消費者ニーズとしての『気配り力』」

●2012年4月「消費者ニーズとしての『気配り力』」

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2012年4月 「消費者ニーズとしての『気配り力』」

中小企業診断士 有村 知里

メールはarimura-c@nifty.comまで願います。

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●消費者モニターからわかった意外なこと

首都圏の私鉄沿線にある商店街活性化支援のため、エリア内の子育て世代とシニア世代の数名に集まってもらい、普段の買い物行動などをヒアリングするという、消費者モニター調査をしていたときのことです。

商店街の個人店舗以外にも、中小スーパーや大型店がひしめく競争の厳しいエリアですから、普段利用しているお店はそれぞれが異なっていましたが、ある一つの店舗(中堅の食品スーパー)は、参加した全員が一致して「良いお店、利用したいお店」という評価の声があったのです。

「なぜそのお店が良いのですか?」と尋ねたところ、「店外にいる警備員の方がとても親切で、自転車から子供を降ろす際にいつも気づかってくれた」とか、「通るたびに声をかけて挨拶してくれる」、「レジ係が子供にも声をかけてくれるし、明るく接してくれる」というような接客態度や、自分たちのことをわかってくれている、という気配りに注目していることがわかりました。

そこで、お客様別にみた「うれしい気配り」に焦点を当てて考えてみましょう。

●子育て世代に対する気配り

子育て中の親にとって、子供を歓迎してくれるお店はとてもありがたいと考えています。特に小さい子どもを連れての外出は不安が多いため、不安を一掃するような気配りが大切になります。

@べビーカーへの対応
ベビーカーを押したまま直接入れるお店は少ないかも知れませんが、そのままお入りくださいと店外に掲示しておくのも良いでしょう。ベビーカーを預かります、と一言声をかける、あるいは掲示しておくことでお客様も気持ちが楽になります。
子育て世代は“マニュアル世代”でもあり、書かれていることで納得するため、POPなどで子供連れ歓迎の気持ちを表現しておくことも欠かせません。 

A柔軟に対応
子供は店内で騒いだり、食べ物をこぼして汚すことがあります。このような状態にも臨機応変に温かい対応することが大切です。「気にせずにゆっくりとくつろいでください」とテーブルにPOPを出している飲食店も好評です。様子を見て、おしぼりや紙ナフキンを多めに提供する、あるいは飲みもののオーダーには氷の有無を確認することも大切です。

B子ども向けのおまけ
子育て世代へのモニター調査では、子どもへのおまけがあるお店はうれしいという声があがりました。このようなお店ではスタッフも積極的に子どもに話しかけてくれるため、再来店したい気持ちも高くなるようです。

Cトイレの配慮
子供用トイレが無くて困るという声はよく聞きます。シニア世代に対してもですが、気持ちよくトイレをお貸しするということも、次回のお客様につながっていくのではないでしょうか。

D「NO」も明示
子育て世代は店内で子どもが注意されると自分が失敗したように思う、という消費者モニターの意見がありました。この世代は第三者に注意されることに慣れていません。ですから、お子様連れ入店不可の場合には、最初から明示してもらったほうが良いという割り切った考え方も持っています。

●シニア世代への気配り

高齢化は急速に進んでいます。65歳以上の高齢者比率は日本全体で23.0%、東京都は20.4%です。(2010年国勢調査) 

東京商工会議所がシニア世代に行なったアンケートでは「店員の対応に魅力を感じるお店が少ない」「サービスが良くない」など接客面で不満を多く感じています。自分で買い物できるお客様は元気ですが、高齢化ゆえの身体的不便さを感じていることも多いため、接客には注意します。

@お客様のペースに合わせる
お客様のペースに合わせた接客や、ゆったりと買い物ができる環境づくりが必要です。レジ近くに手荷物を置くテーブルを置くと便利です。
個人差があるものの、一般的に高齢者は聞こえが悪くなりますから、ゆっくり丁寧に話すようにし、相手の話に対してうなずきながら聞くことも大切です。

Aハーフサイズメニュー
シニア世代のみならず、女性客や子育て世代からニーズが高いのが、飲食店などのハーフサイズメニューです。残してしまうのはもったいない、ちょっと味見をしてみたいというニーズに応えることもできます。

Bひと声、ひと手間をかける
お客様をご案内するお手伝いや、「杖をお預かりしましょうか」「荷物をお持ちしましょう」などひと声と手間を惜しまないでください。シニア世代にとっても歓迎されている店であるという認識を持ってもらうことが何よりも大切なのです。

●「おひとりさま」への気配り

高齢化・少子化とともに顕著なのが、単身世帯の増加です。東京都では世帯数に占める単身世帯の割合は%で45.8%と、約2世帯に1世帯は単身世帯です。(2010年国勢調査)。1985年は20.8%でしたから四半世紀で大きく増加しています。東京都では1世帯あたりの人数は平均2.1人、特別区1,97人と少人数化は顕著です。こういう状況もあり「おひとりさま」という言葉も既に定着しています。

@少量販売への対応
1個単位、あるいは50g、75gという少量単位での販売にも気持ちよく対応していきましょう。

Aコースメニューづくり
飲食店でのコースメニューは2名様以上からという店も少なくありません。しかし、たまには1人でゆっくりと食事をしたい、記念日を過ごしたい、自分へのごほうびをしたい、良いことがあったからお祝いしたいなど、“おひとりさま”ニーズを幅広くとらえ対策を検討します。

単品メニューが多い店では、数品を組み合わせて多彩な味が楽しめる一人用メニューを開発してはどうでしょうか。一度にたくさんの味を楽しみたいという女性客に対してもアピールができます。

●気配り力がお店を印象づける

お店の印象は@店舗力、A商品力、B接客力の大きく3つで成立しています。
店舗力は立地やハード面であり動かしようがありません。商品力は競合との差は僅かであることがほとんどですし、価格では資本力に勝る大型店、チェーン店にはかなわないとなると、Bの接客力の違いが勝負の分かれ目になっています。

その上位にあるのが、4つ目の「気配り力」です。
お客様が来店されてから、買い物や食事を済ましてお店を出るまで一連の行動と、それに対応するスタッフの行動を観察し、気配り力向上のポイントを見つけてください。見慣れてしまった風景をもう一度見直すことで、隠れているヒントが浮かび上がるはずです。
「あのお店のスタッフは気配りが利いて親切だね」という声はゆっくりと、しかし確実に経営に貢献することでしょう。

中小企業診断士 有村 知里

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