特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2012年4月「小売りの変化から時代を読む」

●2012年4月「小売りの変化から時代を読む」

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2012年4月 「小売りの変化から時代を読む」

中小企業診断士 東條 寮(つかさ)

メールはttojo@plum.plala.or.jpまで願います。



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消費者に一番近いのは小売り業。そのため、消費者のニーズに一番敏感なのも小売業。そこで、小売業の最近の動きを見ながら、時代の変化を少し見て見たい。

●コンビニ、スーパーの最近の動き

昨年の夏ごろから、新聞等でよく見かけるようになったのが、“走るコンビニ”という言葉。

買い物が困難な人々の数は600万人ともいわれるが、コンビニエンスストアやスーパーなど大手小売りが過疎地などでの移動販売を本格化しはじめた。

たとえば、セブンイレブンは本部負担で軽トラックを使った移動販売の多店舗展開を始めたり、移動販売でのガソリン代の多くを本部が負担したりして、個々の店舗を応援しはじめた。
同様の動きは他のコンビニやスーパーでも見られ、本部主導で、様々な“買い物難民” 対策が取られている。

これらの新聞記事を読んでいると、これからのビジネスを考える上で、色々なヒントを感じる。

ちょっと大げさな言い方かもしれないが、小売業の変化を見ていると、時代の変化を先読みできるのではないかと思う。少し前までは、百貨店という巨大な商圏を持つ 小売りの時代があったが、今やその面影はない。そして、総合スーパー(GMS)の時代、ショッピングセンター、へと続き、コンビニへと主導権が移ってきた。

これらの移り変わりは、まさしく、消費者の世帯構成から収入、価値観、行動パターンなどなど時代の価値観をそのまま反映しているとも言える。それが、これからは、新型コンビニ、新型小型スーパー、それに加え新たなネットショッピングの時代に入ろうとしている。

高齢化、単身化、・・・安全、安心、・・・なじみ、親しみ・・・

欲しいモノがすぐに手に入る便利さ、それに、安心・安全が一目でわかり、昔あった近所の駄菓子屋的な親しみやすさでなじみになれるところが生き残っていくということ。

●その中でも特に着眼すべきポイントは、以下の3項目であろう。

1.“社会性 ”と“収益性 ”の両立の課題

これまで、コンビニの主要ターゲット顧客と言えば、若年層。それが、この走るコンビニでは、“買い物難民”と言われる過疎や都心の高齢者が主なターゲットになる。

つまり、“買い物難民”  “過疎地 対策”といった社会性を持った課題に対し、収益性を重視する企業がどうやって両立させていくか。この走るコンビニの中には、これからの超高齢化社会の課題解決という社会性と、企業の収益性満足という両面からアプローチするための様々なヒントが隠されている。

その時、問題となるのが、“社会性”を満たすための負担コスト。

セブン・イレブンのような大手はともかく、一般の中小でもこれからはこの社会性コストへの対応方法を今のうちから検討しておく必要がある。

2.小売り=立地業からの発想の転換(飛躍)

小売りの成否は、立地できまる。・・・とも言われるが、この新しい動きはこれまでの概念を大きく変えることにつながっていくのではないだろうか。もちろん、 最近は店舗とネットの併売というところもけっこう見られるようにはなったが、立地条件の良い場所を確保できるかどうかが基本であることは、多くの小売りの 現状であろう。

走るコンビニの動きは、この良い場所をどうやって確保するかというこれまでの発想から、拠点(立地場所)+稼働範囲(アプ ローチ範囲)で商圏を決めるという発想の転換もしくは飛躍とも言える。

このやり方がうまく行けば、従来の 小売り = 立地業 という固定的な発想からの脱却が可能となる。

そうすると、今のように多くの衰退した商店街においても、その地域にしばられないで、(柔軟な発想で)もっともっと活性化していけるのではないか。
という新たなヒントも浮かび上がってくる。

3.“御用聞きビジネス”への発想の転換(“来てもらう”から“近づいていく” )

今のコンビニからは大きな発想の転換が必要である。

コンビニは基本的に“待ち”のビジネス、つまり、“来てもらう”ビジネスである。この場合、何を、いつ買ったかと言うPOSデータをベースに一部地域特性も付加した品ぞろえをするというのが基本。つまり、売筋情報をもとに次の戦略を考えるという “待ち”のビジネスである。

それに対し、 “近づいていく”ということは“待ち”ではなく、“攻め”のビジネスになる。
単に、今、コンビニで売っている商品を同じような気持ちで現地に持って行っても大した成果は出せないであろう。

積極的に現地のニーズをくみ取る姿勢、あるいは、売り込んで、その反応を見ながら、品ぞろえに活かそうとする攻めの発想、言いかえれば、“御用聞きビジネス”のような発想と行動力。

“品ぞろえの充実”ではなく、その人に対する“お好みの充実”へ

そういう考えを持つことが、この新しいチャレンジにおいてうまく行くためのヒントになるのではないだろうか。

この走るコンビニの動きや新タイプの小型スーパーにはこれからの小売業のビジネスモデルを考えるにあたり、多くのヒントが隠されている。
 
中小企業診断士 東條 寮

メールはttojo@plum.plala.or.jpまで願います。


■―――――――――――――-―― NPOみなと経営支援協会−201204―■

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