特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2011年10月 「「不」をビジネスのヒントに」

●2011年10月 「「不」をビジネスのヒントに」

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2011年10月 「「不」をビジネスのヒントに」

中小企業診断士  渡邉 勲

メールはwatanabe−bsl@nifty.comまで願います。


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あなたは、日頃自分が不満や不快に思ったこと、あるいはイライラした時に、それを書きとめていますか。
日常生活や仕事の上での不満、不快やイライラは、新商品を生み出すシーズともいわれており、潜在ニーズとも呼ばれています。

特に、競合する他社の商品やサービスを使ってみたりしての不満や不快に思ったことがあれば、自社の商品やサービスにその不満や不快を解消するものを盛り込むヒントになり、それだけでも差別化が図れるようになります。

不平、不満、不快、不便、不実、・・・・・まだまだありますね。これらはイライラの原因にもなります。

どんな「不」と直面し、どんな気持ちでいますか?
その「不」を解決する手段はありますか?

また、解決した「不」がある場合、どんな手段でそれを解決しましたか?

「不」が、あなたの仕事に「重し」を乗せていたり「枷」となっているのです。

そうであれば、是非その「不・・・」を取り除いていくようにしましょう。

●事例

ここで、参考となるいくつかの事例を見てみましょう。

事例1:リクルート社の情報誌

リクルート社の花形情報誌に、「とらばーゆ」「エイビーロード」があります。立ち上げたくらたまなぶ氏の話です。
何か新しいことを始めるときには、とにかくそのテーマに関しての「不」を集めることから始めているとのことです。

「とらばーゆ」では、創刊時に集めたのは、OLの「不」とのことです。現状への不満、不平、不信、不具合、不安、不快、不自由などを聞いて聞いて聞きまくったとのことです。

また、「エイビーロード」発刊時には、海外旅行についての「不」を集めることからスタートしたとのことです。

こうやって、まずターゲットの「不」を片っ端から集め、その「不」を解消する情報提供をコンセプトとしたので、「とらばーゆ」や「エイビーロード」はいずれも大ヒットとなったのです。

「不」を聞くことが効果的なのは、何も一般消費者を相手にする場合だけではありません。生産財や業務用の分野でも同じです。
最近のいい方でのB2Bの分野では、顧客の「不」の解消はすべてビジネスチャンスにつながると言い切ってもいいぐらいなのです。

事例2:ファクトリーオートメーションのキーエンス社

センサー、変位計、画像処理、PLC、タッチパネル、バーコード、マイクロスコープ、計測 器、マーキング機器などを界40カ国150拠点で 直販体制をとっている会社です。

同社の営業マンは、とにかく現場へ入って、生産現場での「不」(不満、不都合、不具合)を地道にコツコツと徹底的に聞いて回り、その不を解消する製品を提案するのです。

現場の声が的確に反映され、問題解決をしてくれる製品が受け入れられないわけがありません。同社は特に技術的に特記するほど優れたものを持っているわけではありませが、ヒアリング能力に長けているのです。それも現場の不を聞き出すことに特化したヒアリング能力なのです。

その結果が、驚異的な高収益に結びついているのです。
その根幹には、社員の能力を開花させ、潜在ニーズを製品企画に生かす仕組みづくりがあるのです。

事例3:あったらいいな」をカタチ(製品・サービス)にした小林製薬

のどぬ〜る、熱さまシート、ナイシトール、チンしてこんがりモーニングカップなど、ユニークな商品名で医薬品、芳香剤、栄養補助食品(サプリメント)、日用雑貨品、医療機器などの分野でさまざまな製品を提供しているのが小林製薬です。

これらの多彩な分野での製品提供は、現状の事業領域にこだわらず、より幅の広い「人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念の下に、「並外れた顧客志向で私たちは常にお客さまも気づいていない必要なものを発見し、「あったらいいな」をカタチ(製品・サービス)にすることを、なによりも大切にします」、という行動規範・価値観に基づいた事業活動の結果のものなのです。

お客様にとってのあったらいいなをカタチにする、社会にとってのあったらいいなをカタチにする、環境にとってのあったらいいなをカタチにする、ということで「不」を解消する「快」をビジネスにしているのです。

事例4:電子機器の複雑さへ「不安」を解決したアップル社

iPod,iPhne,iPadて有名なアップル社です。創始者のスティーブ・ジョブズ氏は、Stay Hungry. Stay Foolish(ハングリーであれ。愚か者であれ)という言葉を残してつい最近亡くなられました。あるコンサルタントは、ハングリーとは、「今の状況に満足するな」、愚か者とは、「理屈や常識にとらわれるな」ということだと思う、といっています。

新しいものを生み出す力は「不」なのです。
iPodを製品化する際、スティーブ・ジョブズ氏は、「3回ボタンを押せば、聞きたい曲が見つかるようにしろ」と言ったとのことです。
これは、電子機器の複雑さに「不安」を感じる消費者の言葉を代弁したものです。電子機器が複雑すぎると「不安」から「不快」になり、その後、「不満」となり、顧客が離れていくのです。

iTunesにより、音楽がインターネットからダウンロードできるようになりました。これは消費者の「聞きたい曲が手に入らない」と音楽を手に入れる手段の「不備」を感じ、聞きたい曲の「不足」を感じた気持ちを解決することを商品化したものなのです。

これらの「不」の情報は、通常顕在化しておらず潜在化しているのです。氷山の一角との言葉のとおり、目に見える「不」はその一角で大部分は隠れているのです。これに関して、スティーブ・ジョブズは「製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。」といっていたのです。

また、「不」の情報は常に変化するのです。
「消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。完成する頃には彼らは新しいものを欲しがるだろう」ともいっていたのです。

目に見えず、しかも変化する顧客のニーズ要望やウォンツ欲求に応えることが、世の中に受け入れられる商品づくり、提案書、企画書作りには欠かせないのです。

このように「不安」から「不快」そして「不満」に気持ちが移行します。また「不備」から「不足」へも変わります。そこで「不安」や「不備」の段階でその芽を摘めば、「不満」や「不足」にならずクレームが発生しないのです。

●「不」を見つけ出すには

では、どうやってこうした「不」を見つけ出すか、そのヒントとなる切り口を見てみましょう。

仕事の現場には、たくさんの「不」があります。これは改善の種になりますが、ビジネスのヒントにもなります。
この「不」を3つの分野に分けて考えてみるのです。
こんなとらえ方もあるのです。

仕事の現場には、人の動き、機械や機器の動き、物の動き、情報の動き、お金の動きの5つがあるのです。その中からムリ、ムダ、ムラを探し出しそれをどうなくしていくかという問題意識と改善への積極的な取り組み求められています。それが仕事の現場を大きく変えていくのです。

先ずは、「不」を以下のように3つに分けてできるだけ具体的に細かく洗い出していきます。

@仕事の「仕組み」の「不」です。
 ・不足
 ・不便
 ・不備
 ・不都合
 ・不合理
 です。

これらの「不」は、仕事の「仕組み」に問題があるのです。どんなに精緻に作った「仕組み」でも、時間経過とともに仕事が変化し、「仕組み」が実情と合わなくなり、この「不」が起きてきます。

A働いている人の「感情」の「不」です。
 ・不安
 ・不満
 ・不信
です。

現場の仕事と「仕事の仕組み」が合わないと、人は不安になり、そのまま改善しないでいると、上手くいかないことへの不満となり、放置している上司に不信感を持つようになります。そして、トラブルとなります。

B会社の「経営」の「不」です。
 ・業績不振
 ・不経済
です。

仕事の「仕組み」の「不」と現場の「感情」の「不」が原因となって、会社の業績の低迷に結びつくのです。

このようにして、仕事の現場を見ていくことも「不」を見つけ出す切り口でヒントになります。

●「不」をみつけてビジネスのヒントにする

・不満を感じていないか?
・不安を感じていないか?
・不快に思っていないか?
・不便と困っていないか?
・不経済と悩んでいないか?

この5つの「不」を引き出した上で、その「不」を取り除くものを自社の商品・サービスに取り込み、それを提案していくことが、お客様のため、顧客満足提案企業になるのであり、勝ちパターンになるのです。

●イライラもヒントです

人はイライラします。そのイライラは、不満とか不安と言い換えてもほぼ間違いはありません。儲かるビジネスのアイデアは、人のイライラを見つけて、解決してあげるところにあるとも言われています。

ファーストフード店では、ご飯が出てくるのが遅くてイライラするという点を解消しています。

ひと昔前まではファーストフードというものはありませんでした。飲食店に入って頼んでから、1,2分で出てくる食事なんて、ほとんどありませんでした。しかし、世の中が変化しスピードが要求されるようになりました。食事が出てくるのが遅いと感じてイライラするようになったのです。

ファーストフードであれば、すぐに食事を食べることが出来ます。頼んでからすぐに出てきますから、スピードに対してのイライラが解消されたのです。
このようにして、ファーストフードは伸びていきました。
安くて早くてうまいの吉野家などの牛丼チェーンう繁盛してきました。ハンバーガーのマクドナルドもそうです。

こうしたお店ではどこで食べても同じ味ですから、期待する味と違うこともほとんどありません。期待していたものよりマズイとがっかりしますが、だいたい期待通りの味で出てきます。これも、イライラの解消のひとつといえます。

先ずはイライラを見つけることから始めてみましょう。
そして、そのイライラの解決策を見つけ、この二つを組み合わせてみることです。

まずは、自分がイライラすること、そして他人がイライラすることを探してみることです。

新しいビジネスのヒントは、目の付けどころを変えてみる、発想を変えてみることなのです。
今回のコラムを参考ヒントにして、みんなで考えてみてください。


中小企業診断士  渡邉 勲

メールはwatanabe−bsl@nifty.comまで願います。


http://www.wbslabo.jp/
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