特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2011年6月 成果を高めるための時間管理

●2011年6月 成果を高めるための時間管理

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2011年 6月 成果を高めるための時間管理
中小企業診断士  永井謙一

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私たちは日常、複数の案件を抱えながら仕事をしています。当然、仕事の量には波があるので一時的に仕事量が増え、納期に間に合わなかったり、期待される水準のサービス(商品)を提供できなかったことがあるのではないでしょうか。また、仕事に追われ一生懸命に仕事をしたのに、期待した成果につながらなかったことはないでしょうか。

今回は成果を高める方策を時間管理の視点から述べたいと思います。

1.「締切」を守るために必要なこと

仕事には常に「締切」というものがあります。そして、時間は誰にとっても1日24時間と決まっているため、その制約の中で仕事を行う必要があります。ある仕事をするためには各々ある時間を必要とします。

そこで、A4版50枚の原稿を作成することを考えてみましょう。「締切」を守るためには、まず1枚の原稿作成にどのくらいの時間をかけるかを考える必要があります。

仮に1枚の作成に1時間かかるとすると50時間が必要になります。次に締切までに何日あるかを確認します。締切まで20日あるとすると1日2.5時間確保できればよいということになります。
毎日2.5時間を確実に確保できれば良いのですが、確保する時間が不足する場合には、他の仕事を止めて時間を確保する必要があります。仕事の計画を立てる際には、これもあれもと考えてしまいがちですが、「締切」を守るためには、まず必要な時間を算出し、時間が不足するなら何を止めることで時間を確保するかを考える必要があるのです。
 
2.時間の使い方の改善

自分が仕事に対してどれだけ中身の濃い時間を費やしているかを把握できているでしょうか。

ここでは、営業マンの時間の使い方について考えてみます。
ある経済雑誌の調査によると営業マンが一日の勤務時間のうちお客さまとの商談に費やしているのは9%程度ということです。この数値は客観的にみて低い数値ではないでしょうか。

営業マンは、営業計画を立案し、その計画を実行します。その後、最低でも月単位では計画と実績の比較を行うでしょう。

その際、焦点が当たるのは当然売上や利益の実績になります。そして、計画通りの実績を上げていない場合は、翌月の計画値の見なおし(前月分の繰越を上乗せする等)を図ることになります。この計画と実績の比較は、売上や利益の他に時間をどのように使っていたのかも把握するべきではないでしょうか。

例えば、行った業務内容を30分単位で、エクセルで作成した表等に記しておきます。この記入を1ヶ月間続ければ、1ヶ月間で商談(売上につながる業務)にどれだけの時間を費やせていたのかを把握することができます。そこで、売上につながらない仕事のうち自分がすべきではないものを減らすことで、今後の営業活動を充実させることができるでしょう。

行動実績表と改善例(対象:小売店への販売を行う営業マン)



3.緊急性より重要性を重視する

ここで、縦軸を重要度、横軸を緊急性としたマトリクスで考えてみましょう。



まず、右上のセル(重要度、緊急性がともに高い仕事)には優先的に時間を配分する必要があります。しかし、重要度が高い仕事を短時間で行う場合には求められる水準のサービス(商品)を提供できない可能性もありますので、できる限り左上のセルの仕事が増えるようにしていく必要があります。

右下のセル(重要度が低く緊急性が高い仕事)は、自分ですべきか否かを考える必要があります。他の人に割当てられるなら、その仕事を任せ、自分は重要度の高い仕事を増やすようにします。自分で行う場合でも、隙間時間などを活用しあまり時間をかけないで行うべきです。

左下のセル(重要度、緊急性ともに低い仕事)は、仕事の仕訳を行い取り組むものと取り組まないものに分ける必要があります。

このマトリクスでは左上のセル(重要度が高く緊急性の低い仕事)の割合が多いのが理想です。これらの仕事が多いということは、重要な仕事を計画立てて行うことができるため、高い成果に結びつくことが期待できます。

重要度の高い仕事については、@納期、A着手日、B作業ペースを決め、それを計画通りに進めることで、高いレベルの仕事を時間的な余裕をもって行うことが可能になります。重要な仕事に多くの時間を費やすことは高い成果につながると考えられるのです。

4.時間の浪費に気を付ける

営業マンの中には、行く必要のないお客さまを頻繁に訪問する人がいます。営業マンも人ですから営業先担当者の好き嫌いもあるでしょう。このような行動をとってしまいがちな営業マンには重要な商談予定が少ないということが考えられます。

自分にとって重要な仕事が少ないから、売上貢献度の低いお客さまを訪問できるのです。しかし、お客さまの優先順位は潜在的な部分を含めての売上です。成果をあげるためには、売上に結び付く行動(時間管理)を行う必要があります。

社内でも上司や同僚から自分の仕事とは関係の少ない業務を頼まれることもあるでしょう。中には自ら他の人の仕事を手伝うことを申し出る人もいるでしょう。その時の状況によりそのような仕事を行う必然性が高まることもあるでしょう。しかし、客観的には自分が仕事をしていないことを隠すカモフラージュにも見えてしまいます。

時間はたやすく他の人に与えるのではなく、自分と会社の双方にとって成果のある業務に費やすべきです。

電話も時間の浪費につながる可能性があります。話が要領を得ていない。話が次々に飛び火して拡散してしまう。同じ話を何度も繰り返す。このようなケースでは長電話を引き起こし、重要な時間の浪費につながってしまいます。電話の受け手としては避けられないかもしれませんが、電話をかける場合は、必要な時に必要な要件を伝えるツールと認識し、有効に活用することが重要です。

5.行動計画を立てる

時間の使い方は、仕事の成果に影響を与えます。間接的または直接的に成果に結びつく事に時間を費やすことで成果は高まると考えられます。

営業マンの行動で例を示すと、一度で済ませるべき商談に数度の訪問を行っていたり、成約の可能性が低いお客さまに多くの時間を費やす等は高い成果には結びつきません。成果を高めるためには、この無駄な時間をできる限り無くす必要があります。そのために必要なものが行動計画です。

行動計画(営業マンの場合)を立てるのに必要となるのは、@営業戦略、A成果(アウトプット)、B行動目標(インプット)です。行動目標には「誰が」、「いつ」、「どこで」、「何を」、「どれだけ」、「どのように」の要素を入れます。また、行動計画は「年間」、「月間」、「週間」、「日」の順に落とし込む必要があります。

6月の行動計画(日)の例



このように、無駄な時間をできる限り無くすという視点で行動計画を作成し、計画通りに実行することで、より高い成果が期待できるのです。

 時間管理について述べてきましたが、成果を高めるために重要なことは、目標を設定し、自分がすべきこと(成果につながること)としないことを明確にして、日々の活動を計画的に行うことです。時間管理の方策が、皆様の事業活動の成果向上のヒントになれば幸いです。
中小企業診断士  永井謙一

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