特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2011年 2月 データベースマーケティングによる集客術・前篇

●2011年 2月 データベースマーケティングによる集客術・前篇

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2011年 2月 「データベースマーケティングによる集客術」 前篇

中小企業診断士 栗田 剛志

メールはt-kurita@m9consulting.bizまで願います。


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景気回復の兆しがなかなか見えないまま、2010年も終わってしまいました。売上の不振が慢性化してしまっており、新しい年をどうしていこうかと考えあぐねている経営者も少なくありません。

 今回ご紹介する事例は、小規模な飲食店ですが、「データベースマーケティング」により売上の回復を実現した事例です。
この「データベースマーケティング」による集客方法は業種・規模を問うものではありません。いかにして、お客様のもとに的確な情報を送り届け、来店に結び付けるか。集客を成功させるには、もととなるお客様の情報を蓄積・更新し、区分けして、「お客様が得をする」、「お客様にとって新しい」、「好奇心をそそる」内容をお届けできるかにかかっているのです。

1.外食産業を取り巻く環境
 
景気悪化に起因する支出や外出の抑制、食の安全性に対する不安、飲酒運転の罰則強化など、外食産業を取り巻く環境は厳しさを増しています。消費者の平均給与や労働時間の減少は、外食回数を減らすこととなり、より一層の内食化を招いています。

総務省統計局の家計消費指数において、2005年を100とした時、2010年の第二四半期は93.3、第三四半期は94.0となっており、消費者の財布のひもはなかなか緩まる気配はありません。消費者が飲食店を選別する基準は、よりいっそう厳しくなる傾向にあります。

帝国データバンクによると、2009年度の外食産業倒産件数は、過去五年間で最多件数を記録するなど、飲食店は消費者の外食離れによる苦しい経営を強いられています。牛丼チェーンによる低価格競争も大きな影響を及ぼしています。このような環境の中で生き残るためには、いかにして顧客満足を向上させ、一人でも多くの来店者を獲得できるかが条件となります。

飲食店としておいしい食事を出すのは当たり前であって、顧客の来店を促すためには、消費者へ来店を喚起させるための仕掛けが必要となります。その仕掛けとは、特に高度なことではありません。ごく当り前の内容です。

問題は、「誰に」、「どうやって」仕掛けを講じるかなのです。

売上不振の飲食店を訪問してみると、この当り前の仕掛けをできていないのが頻繁に見受けられます。当り前のことができなければ、市場からの退場を容赦なく迫られることとなります。逆に考えれば、当り前のことをきちんとやりさえすれば、消費者は来店してくれるのです。

2.モデル店の概要

A店は、首都圏近郊の住宅地にあり、駅から歩いて10分程度のところに位置しています。
30年以上同じ場所で営業をつづけており、10年ほど前に改装を実施しましたが、最近は設備の老朽化や汚れが目立つようになってきており、客離れが顕著になってきていました。  

質の良い肉をお客様の好みに焼き上げ、オリジナルのソースか、お客様の好みでニンニク、バター、醤油をかけて食べていただくことが基本的なスタイルとなっています。

「肉が食べたい」というお客様の極めて嗜好的な来店動機となるため、昔ながらの固定客が多くついているのが特徴です。

ランチは行っておらず、ディナーの提供のみとなっており、比較的遅い時間帯まで営業しています。顧客には、家族連れと独身の男性が中心となっています。

3.A店の問題点

A店の売上は減少傾向にありました。売上減少の原因をオーナーに聞いてみると、把握している原因は外部要因についてばかりであり、自店の内部要因については自覚できていないように感じられました。

今一度、オーナーと従業員の方々に客観的な視点で自店を見直していただくことで、以下の3つを問題点として挙げることができました。

@以前来店していただいたお客様が来店していない

頻繁に来店していただいていたお客様がこのところ来店してくれていないことに気が付きました。ただ、どのお客様がどのくらい期間が空いているかは正確に把握できませんでした。
「そういえば、あのお客さんは最近見てないね」という程度で、オーナーと従業員が思いだせる範囲でしかなく、どのお客様がどれほどの期間来店されていないかを全く把握できていませんでした。

A新規顧客の減少

同じ場所で長年商売をやってきたためか、周辺での認知度は高いといった思い込みがあり、自店から存在を示すことをしてきませんでした。
提供する味やサービスに関しては自信があり、一度来店してもらえれば、リピート率は高いお店であったため、積極的な情報発信を行うことをしていませんでした。
最近では、近隣の住民の入れ替わりも激しく、周辺での認知度が高いという認識を改める必要があることに気が付きました。

B顧客情報を持っていない

顔馴染みのお客様に関しては、名前や属性については把握していますが、それがデータとして体系的に管理されてはいませんでした。また、ここ最近来るようになったお客様に関しては、全く把握出来ていませんでした。
どの地域に住み、どんな来店動機を持ち、どのような食事を好むのか、また、そのお客様にコンタクトをとるための連絡先といったお客様の情報を獲得する仕組みがなく、顔馴染みのお客様の情報に関しても属人的なもので、従業員間で共有されることはありませんでした。

以上、3つの問題点を分析すると、取り組むべき課題として次のふたつが見えてきました。

@顧客情報のデータベース化

顧客情報を取得し、情報発信に活用できるような管理方法を考えていく必要があることに気が付きました。

A顧客認知度を高める情報発信

既に認知してくれている顧客には、外食するとなった時にどれだけ想起してもらえるか、当店を認知していない顧客、認知していても来店したことがない顧客にどういう情報を発信したら来店してもらえるかを考える必要があることに気が付きました。

長くなりますので、以下は後編に続く・・・

中小企業診断士 栗田 剛志

メールはt-kurita@m9consulting.bizまで願います。

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