特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2010年7 月 「お客様のホームグラウンドで商売をする御用聞き営業」

●2010年7 月 「お客様のホームグラウンドで商売をする御用聞き営業」

■経営お役立ち情報  ビジネスヒント情報―――――――――――――――――――■

2010年7 月 「お客様のホームグラウンドで商売をする御用聞き営業」

中小企業診断士 栗田剛志

メールはt-kurita@m9consulting.bizまで願います。

http://www.m9consulting.biz
http://m9consulting.blog40.fc2.com/
■――――――――――――――――――――――― NPOみなと経営支援協会−■

1.御用聞き営業とは

みなさんは、「御用聞き営業」と聞いてどのような印象を持つでしょうか。

「御用聞き営業」とは、定期的、あるいはお客様に呼び出されて訪問し、注文を取ってくるだけしかしない営業のこととして、あまり良い印象を持たないかもしれません。提案営業の逆の意味とされて、悪い例として取り上げられることも多々あります。

ただ、この「御用聞き営業」、考え方によってはとても恵まれた環境にあり、その環境を上手に使えばもっともっと業績を伸ばすことができるのです。
悪い例えのように、お客様のところに訪問して注文をもらってくるだけの営業であれば、それはそれまでの話です。

一方で、価値ある「御用聞き営業」とは、お客様のところに訪問し、雑談を通じてコミュニケーションをとり、アンテナを張ってお客様の隠れたニーズを探り出すことで、次に機会に提案を行うことができることを言います。

「御用聞き営業」の強みは、3つあります。

ひとつ目は、お客様のホームグラウンドで商売ができることです。

お客様のもとに訪問するということは、お客様の実情を目で見ることができます。普段は、お客様から発せられない情報を営業担当者自身の目で確認し、活かすことができます。

また、法人、個人問わず、自宅や事務所とは、心理的に最もリラックスした状態でいることができます。安心感、信頼感を前提のもとに商談を行えることは、お客様の心理を前向きにすることができ、商談にプラスの影響を及ぼします。
 
ふたつ目は、雑談によるコミュニケーションをとることができることです。

営業担当者が、定期的に訪問することによって、お客様に顔を覚えてもらえます。最初は挨拶程度のやり取りも、次第に打ち解けることによって会話が生まれてきます。回数を重ねるごとに、信用や信頼感を醸成することができます。

また、日ごろからアンテナを張り、お客様について考えを巡らせていれば、ちょっとした雑談の中からビジネスチャンスを見つけることができます。

みっつ目は、お届けする商品やサービスを増やすことによって、必要最低限のコストで売上を拡大することができます。

新規開拓を行うよりも負荷が少なく、お客様に対してのシェアを拡大することで営業効率を向上させることができます。

また、普段から良いコミュニケーションをとっていれば、良質なクチコミを生む可能性が高くなります。

以上のように、確実に販売できるルートを持つ「御用聞き営業」には、様々な強みがあるのです。

2.御用聞き営業の具体例
「御用聞き営業」の具体例を挙げます。
 
お客様のご家庭やオフィスにミネラルウォーターをお届けする宅配業者の事例です。お届けするミネラルウォーターは、小さいものでも3ガロンと、商品自体はかなり重たいものとなります。従って、商品の受け渡しは玄関口に留まらず、サーバーの近くまでお持ちすることとなるので、営業担当者はお客様のご自宅に上がりこむこととなります。

常識的には、他人を自宅に上がらせるというのはあまり考えられないのですが、この営業担当者は必然的に上がりこむことができます。
最初は挨拶程度のやり取りでも、ミネラルウォーターを定期的に運ぶことで、自然とコミュニケーションが発生します。

訪問する営業担当者は、お客様の自宅にあがりこむことで、会話だけの情報のみならず、目で見た情報も得ることができます。家族構成、生活の水準、趣味・嗜好、何に価値観を置いているか、といったなかなか入手できない情報までも入手することができるのです。

この水の宅配業者は、入手した情報を活用して様々な提案をお客様に持ちかけています。例えば、雑談の中で「おいしいお米を食べたい」との情報を得ることができました。そこで、一般のスーパーで売られているお米の倍近い価格である高級米を仕入れ、お客様に提供し始めました。売上単価が上がるとともに、お客様にはとても喜ばれています。
 
この宅配業者は、お米だけに留まりません。美容に効果のあるサプリメントを仕入れ、お客様の様子をうかがい、「元気がないな、疲れてそうだな」というお客様に対してサプリメントのサンプルを置いていきます。お客様に気に入っていただけたら、次の配送のときにミネラルウォーターと一緒にお届けしています。

このように、ミネラルウォーターの宅配を通じて、確実にお客様と接する機会を得ることができ、その機会を次の商売のチャンスとして活かしきることで、業績は順調に伸びています。
 
このような商売は、口コミが一番の顧客数拡大の要素となります。ミネラルウォーターだけを取り扱っていた際は、ミネラルウォーターでしか口コミは発生しません。しかし、商品を増やすことで、ミネラルウォーター以外でも口コミが広がり、新規顧客の増え方が加速していきます。高級米やサプリメントをきっかけとして訪問が始まったお客様には、ミネラルウォーターを提案することで相乗効果を発揮しています。

3.御用聞き営業をするためには

価値ある「御用聞き営業」をするためには、3つの事を心がける必要があります。

ひとつ目は、コミュニケーション力です。

基本となる信用・信頼関係を構築するには、お客様との雑談によるコミュニケーションをとる必要があります。雑談を通じて、お客様のニーズを汲み取り、チャンスにつなげていきます。
 
ふたつ目は、観察力です。

アンテナを張り、お客様のところにある@古いもの・具合の悪いもの、A数が足りていないもの、B全くないもの、がないかの情報を入手するのです。その中で自社として提供できるものを探すのです。

みっつ目は顧客管理です。

訪問によって知り得た情報を整理、記録していきます。情報を蓄積することで次回の提案に役に立てることができます。
 
お客様のもとに訪問しながら、「御用聞き営業」が持ちうる強みというものを活かしきれていない業者がほとんどです。顧客開拓が難しい中で、定期的に、無条件でお客様のもとに訪問し、コミュニケーションできる商売は端たから見ればとてもうらやましく見えます。

そのチャンスを最大限に活かして、知り得た情報をもとに、よりお客様に喜ばれる提案を続けることによってお客様への存在価値を向上させるのです。 

中小企業診断士 栗田剛志

メールはt-kurita@m9consulting.bizまで願います。

http://www.m9consulting.biz
http://m9consulting.blog40.fc2.com/
■―――――――――――――――――-―― NPOみなと経営支援協会−201007―■

お役立ち情報目次へ

homeご挨拶npoみなと経営支援について会員紹介コンサルティング事業新着情報定例会報告お役立ち情報(コラム)サイトマップお問い合わせリンク