特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2010年2月大不況突破のヒント・・・新機軸による売上高のアップ方策(2)

●2010年2月大不況突破のヒント・・・新機軸による売上高のアップ方策(2)

■経営お役立ち情報  ビジネスヒント情報―――――――――――――――■

大不況突破のヒント・・・新機軸による売上高のアップ方策(2) 
「 行動経済学による販売額アップ  」

中小企業診断士  松崎 邦彦 

メールはconsul-k@bd5.so-net.ne.jpで願います。



■――――――――――――――――――― NPOみなと経営支援協会−■

人々がどのような経済的行動を行うかを、実験により検証した結果、いくつかの行動傾向が判っています。
これらの行動パターンを営業に組み込む事で、営業効果が上がるのではないでしょうか。

■返金保証で販売額をアップ

【損失回避性】・・・
損失の不満足と利得の満足では、同じ額であっても損失のほうが大きく感じる。
実際に支払う費用は過大に評価される。

【保有効果】・・・
物や状態(財、地位、権利、意見を含む)を実際に保有すると、それが偶然入手したものであっても、持っていない時よりそのものを高く評価する傾向にある。

⇒2つが共に働き、手放す代償としての受取り希望額と、入手するための支払う許容額はカイ離していて、2〜17倍もの差がある。

消費者は初めての商品を購入する事については、「損をするのではないか」という潜在的な想いが強く出て損失回避に動きます。
しかし、一旦買ってしまうとそれを手放すことには抵抗が生じるようになります。

もし、「使ってもらえれば良さが判ってもらえる」商品であるにも関わらず、販売額が伸びないのであるなら、「満足いただけない場合はいつでも全額返金します」と返金の保証をして販売してみることをお勧めします。

マクドナルドを追う立場のハンバーガーチェーンでは、新商品発売に合わせ、「おいしくなかったら返金します」とキャンペーンを行いました。
返金希望者が列を作るのではと心配されましたが、購入額も上がり、返金率は0.2%と低く、満足度90%の成功となりました。

■理由を作ってあげれば選ばれる

  ・・・人は可もなく不可もないモノより、何らかの理由がある方を選びやすくなる。
    特にストーリー性や幸せになるイメージができるとさらに良い。

顧客はこだわりを持って購入する商品がある一方、全てのモノにこだわりがある訳ではありません。顧客の視点で「選ぶ理由」を作ってPOPに表示すると選ばれやすくなります。

あるスーパーで消費期限の近い商品に「お値下げ品」と表示するのではなく、「もったいないので救ってください」と表示したところ、購入者が増え廃棄ロスが減少しました。更に、顧客とのコミュニケーションが増えたとの事例があるそうです。

■商品性よりも「真ん中の価格帯」が選ぶ基準

【極端回避性】・・・
売れ筋の商品があっても、その競合商品を入れ替えると新たに真ん中の価格となった商品が売れ筋商品に変わる。

寿司屋の出前では特上、上、並のランクでは上が売れ筋です。それは入っている内容を検討して決めているではなく、「真ん中であること」それ自体が理由としているのではないでしょうか。

特に売りたい商品が思ったように売れない場合、その前後の価格帯の商品の品揃えを変えて、その商品が真ん中の価格になるようにするのも一策です。

■70%は購入時の設定のままで使用【初期値効果】

例えば、契約当時には有料のオプション機能が付加されていて、申し出によりオプションを外し契約額を減額できる保険商品であっても、7割の人はそのままで使用するようです。
逆に、後からオプションを追加可能とした場合は、2〜3割に留まるようです。

プリンターの印字品質のように高品質モード(維持コストも高い)と、高速モード(画質は落ちるが維持費は安い)のように商品/機能に2つのランクや使用法がある場合、高品質を初期設定とすることで、消耗品の購入が見込めます。

■ポイントの性質を活用する【媒体の最大化】

購入額等に応じてプレゼント商品を変える場合は、商品自体の好き嫌いが生じます。
どうしても欲しい商品でなければ、上のランクを目指す動機がなくなります。これをポイント制としてポイントに応じた商品交換とした場合、商品は同じでも「ポイントを集める」という意識が働き、「高いポイント」自体を目指すようです。

■懸賞キャンペーンを行うなら射幸心に訴える

景品総額を (A)賞品価値×(B)当選割合 とした場合。
同じ賞品総額なら、Aの価値を大きくする=高額商品とする方が反応率は良いと言うことも実証されています。
人は夢を追いかけるのが好きなようです。景品表示法の範囲で検討ください。

御社の商品やサービスの販売額アップのご参考にしてください。

         参考文献『行動経済学 -経済は「感情」で動いている』友野典男著

中小企業診断士  松崎 邦彦 

メールはconsul-k@bd5.so-net.ne.jpで願います。


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