特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2010年2月こうすればうまくいく!資金調達のコツとポイント!!

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こうすればうまくいく! 資金調達のコツとポイント!! 

中小企業診断士  鎌田浩一

メールはhiro3nin2@gmail.comまで願います。




■――――――――――――――――――― NPOみなと経営支援協会−■

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┏┏  はじめに


一昨年9月のリーマンショックに始まった大不況。
大企業の輸出不振に伴って、連鎖的に中小企業に影響が拡大しました。特に、取引の中断・低迷による売上高急減に見舞われた中小企業者が続出いたしました。
ここにきて幾分持ち直しの傾向は見られるものの、回復までには依然相当の時間がかかる見込みであり、二番底の懸念も囁かれています。

こうした状況下、「景気対応緊急保証」の創設等、今ほど国が中小企業の資金繰り支援策を実施している時はありません。まず、こうした制度を活用し緊急止血策を講じることが中小企業の皆様の喫緊課題ではないでしょうか?
その上で、更なる経営力向上に向けた「安定的な資金調達力の獲得」が必要になります。

当コラムでは、止血後の安定的な資金調達力の獲得のための「金融機関との上手な付き合い方」に焦点を当てた“資金調達のコツとポイント”をお届けします。

皆様の経営力向上に向けた「安定的な資金調達力の獲得」(日常的な資金調達環境の向上に関するヒント)としてご参考になれば幸いです。

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┏┏  金融機関との上手な付き合い方のコツ


金融機関との良好な関係構築を実現するためには、無論、十分な売上と利益を確保し、将来的にも業況が上向きと評される経営を展開していることに尽きます。しかしながら、そうではない中小・零細企業であったとしても決して諦める必要はなく、日常的な付き合い方に配慮することにより十分な資金調達が行うことができるのです。

昨今の経済環境を受けて、金融庁でも金融機関に対して様々なガイドラインを提示し、中小企業者に対する融資方針の指導を行っています。
金融機関は、企業との日頃の付き合いを通じて、その将来性などについての的確な情報に基いて長期的な金融支援を行うことが求められており、「リレーションシップバンキング」(略して「リレバン」)と呼ばれています。

では、これから「金融機関との上手な付き合い方のコツ『7か条』」をご紹介してまいりましょう。

1.融資審査のしくみを知りましょう

第一歩として中小企業者が理解しておくとよいのが、金融機関の融資審査の仕組みです。
金融機関は、個々の企業を「債務者区分」等によって格付けし、主に下記の3点を決定します。
@「融資方針」
   (積極的に融資するか、融資を断るか)
A「担保条件」
(無担保OKか、要担保か)
B「金利条件」
   (低金利で貸し出すか、高金利にするか)

債務者区分は、大きく「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5つに分類されます。
「正常先」「要注意先」までが融資可能先であり、企業の業況に応じてさらに細く分類されて上記3点が決定されるのです。
ここで、“結局、現況の善し悪しではないか”と諦めてはいけません。ポイントはここからです。

2.金融機関が欲しがるものを知りましょう

さて、融資するにあたって金融機関が欲しがるものとは一体何でしょうか?
多くの中小企業者にとって、金融機関は神様か鬼かであるように捉えられているかも知れません。つまり、天空にいて、自分(企業)の命運を司っている何か、という印象です。

しかしながら、金融機関とは「資金を集めて貸し出すことにより利幅を得る一企業」に過ぎません。つまり、金融機関も自社と同じひとつの会社であり、人間の集団に過ぎない、ということなのです。いたずらに崇めたり恐れたりするのではなく、まずはこのことをしっかりと認識することから金融機関との正しい付き合い方が始まります。

金融機関では、“帰ってこないお金は貸したくない”という人情によって判断がなされています。つまり、彼らが一番欲しがるものは「安心」なのです。

3.金融機関にとっての安心とは何か

では、金融機関が「安心」を得るには何が欲しいのでしょうか?
最大の関心は下記の2つに帰結します。
  @この企業はどうやって返済してくれるのか
  A万一のときどうやって回収できるだろうか
 
こう書くと、“結局、担保がないとダメなのだろう”とお感じになる方もいるかも知れませんが、まず大事なのは@の方です。
 
金融機関にとって担保というのは、権利行使にも手間がかかるし、回収保証も期待薄であることが多く、念の為に押さえておきたいものではあるとしても、最優先事項ではないのです。
むしろ、“貸したはよいが、返ってくるか?”の方が大事であり、この点が解消されれば、金融機関は「安心」できるのです。

4.将来の情報が決め手

さて、ここまでで、金融機関の欲しがるものは“この企業はどうやって返済してくれるのか”であることをお話いたしました。
貸したお金の返済に関わることですから「将来」のことになります。ここに、前述の「債務者区分」による判断を覆して融資を引き出す大きなポイントがあるのです。

借り入れを行う際に金融機関に提示する資料は、通例大きく下記の5つです。
  @決算書
  A月次試算表
  B資金繰り表
  C企業概況説明書
  D事業計画書
この内、@とAは「過去」を、B〜Cは「現在」を、Dは「将来」を、概ね表しています。

“これまで、あるいは現在は今ひとつだけれども、これからは大丈夫。わが社の成長は御社(金融機関)の成長に繋がるよ”ということを示すことさえできれば、金融機関は大喜びとなります。即ち、「事業計画書」の内容如何によっては、逆転ホームランも可能なのです。

5.調達の成否は「事業計画書」で決まる

では、金融機関に安心を提供する「事業計画書」とは、どのような内容になっているべきでしょうか?
 一般的に、事業計画書の内容は下記の2つで構成されます。
  @経営目標(対社内)
  Aコミットメント(対ステークホルダー)

@は、経営者の想いや組織を鼓舞するための「背伸びした内容」が中心となります。逆にAは、果たせる約束をしたためるという意味で「現実的な内容」が中心となります。
 
この2つを矛盾無く整合・バランスさせて、第三者(金融機関)が納得できる「理路整然」とした内容になっていることが肝要なのです。
 
また、当然に絵に描いた餅であってはダメなのであり、下記の2つの要素が盛り込まれていなければなりません。
  @マニフェスト(目標が実現する論理)
A態勢(目標を実現させるための仕組み)

具体的には、下記の4点が事業計画書の必須記載事項となります。
  @経営理念・ビジョン
   (経営者の想い・覚悟、社内浸透度など)
  A現状と展望
   (SWOT分析、事業ライフサイクル分析など)
  B数値計画
   (BS、PL、CF計算書、返済期日までの返済計画など)
  Cアクションプラン
   (KGI・KPI、責任所在、PDCAシステムなど)

※ SWOT分析:市場外部環境(機会/脅威)と自社の内部資源(強み/弱み)を洗い出し、事業戦略を方向付ける分析手法の一つです。
※ BS:バランスシート(貸借対照表)のことです。
※ PL:プロフィット・アンド・ロス・ステートメント(損益計算書)のことです。
※ CF:キャッシュフローのことです。
※ KGI:キー・ゴール・インジケーター(重要目標達成指標)のことです。
※ KPI:キー・パフォーマンス・インジケーター(重要業績評価指標)のことです。
※ PDCA:Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Act(処置)という一連の改善サイクルのことです。

これらの内容をしっかり盛り込むためには、真剣味(意識・覚悟・気合い)と、相当の期間・パワーが必要となります。忙しい中小企業経営者の皆様が、わかっていてもなかなか着手できない理由だと思います。

私どもは、NPOみなと経営支援の大きな役目の一つがここにあると考えています。事業計画書の作成に立会って完成に導き、さらに、経営者の皆様にとって事業計画書がひと時も手放せない「座右の書」となるようご支援申し上げますので、是非お気軽にお問い合わせください。

6.積極的な姿勢が大事

さて、金融機関を安心させるためには、下記の2つのお土産が必要です。
  @財務情報
  A非財務情報

@は、これまでに述べた「将来を示す事業計画書」であり、Aは、主に「経営者自身」の情報です。
 上場企業や大会社であれば、IR情報をはじめ豊富な情報を入手することが容易です。しかしながら、中小企業に関しては金融機関が努力しないと(つまりコストをかけないと)必要な情報を入手することが難しく、このことが、中小企業者に対して金融機関が財布の紐を緩めたがらない一つの要因となっているのです。
 
そこで、「積極的に打って出る」ことが非常に大切な中小企業者の姿勢となります。つまり、下記のことを必須項目として「実行」する必要があります。
  @担当者、課長、支店長と仲良くなる。
  Aそのために、月に1回は金融機関を訪問する。
  B月次ベースの経営状況報告を行う。
  C事業計画、成長戦略の報告を行う。
  D時には自社や工場見学に招く。

  しっかりした根拠を添えた数値による定量情報と、数値では表せない定性情報を、金融機関へのお土産として携え、コミュニケーションを活性化しましょう。

7.信頼構築のキーワードは「3S」

これらの行動によって、金融機関からの信頼が少しずつ増していくことと思います。これこそ緊急時融資を引き出す最大のポイントなのです。最後に、経営者の

皆様が実践すべき3つのキーワードをご紹介して本稿の終わりとさせていただきます。
  @真摯
   (品行方正さと熱心さで信頼を得る。)
  A正直
   (悪い情報ほど早く報告。粉飾はもってのほか。)
  B積極的
   (ポジティブな経営者像をPR。)


中小企業診断士 鎌田 浩一

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