特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2010年1月「蛻変の経営」 (JALの経営破綻に思う)

●2010年1月「蛻変の経営」 (JALの経営破綻に思う)

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「蛻変の経営」  (JALの経営破綻に思う)

中小企業診断士  渡邉 勲  

メールはwatanabe-bsl@nifty.comまで願います。


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JAL(日航)が、とうとう経営破綻し企業再生支援機構の支援のもと会社更生法を申請した。新しい会長兼最高経営責任者(CEO)に京セラの稲盛和夫名誉会長(77)が内定し、本格的に再建策の取り組むことになる。破綻の原因についてはTVや新聞紙上等で報道されているのでここでは割愛するが、体質に問題もあったとのことから昔学んだ「蛻変(ぜいへん)の経営」という言葉を思い出しました。

「蛻変の経営」とは、明治大学の籐芳誠一元教授が説いたもので、以下のようなものです。

蝉という自然的生物は、「蛻変」(注)を与えられた環境条件のもとで、本能的現象として行っています。
しかし、企業という社会的生物(怪物)は、「蛻変」を変化する環境の中で意識的に行わなければならないのです。
変化社会における企業の自己変革、経営革新こそ、企業の蛻変(ぜいへん)の姿であるとして、これを企業生存の鉄則として「蛻変の経営哲学」として説いたものです。

つまり、企業がその時々の環境の変化に応じて経営のやり方を変えていくことを「蛻変の経営」としているのです。

今から20年以上も前にですよ。今では経営革新といって当たり前のようにいわれていますが、この蛻変ができていない企業も多く見られます。

(注)蛻変(ぜいへん)とは、
蝉の卵が幼虫になり、さなぎになり、羽化して成虫になっていく様をいいますが、その都度脱皮を繰り返し形を変化させるのでこういわれています。

企業生存の歴史をみてくると、時代の変化や環境の変化に適応すべく古い経営の仕方や形式から脱皮する時期が必ずあります。その脱皮の時期が企業にとって路線転換をはかるひとつの大きな節目にあたります。それをうまく乗り越えれば、 飛躍と成長 をもたらし、つまずけば 停滞と転落 を余儀なくされているのです。

企業は、永続性という観点から幾度もこの蛻変(革新)を繰り返し、新しく生まれ変わり、永遠の生命に発展させていくことが必要なのです。
長寿企業は創業以来、経営者と社員が一丸となって、幾多の困難を乗り越え、蛻変、革新を繰り返し発展してきているのです。

常に政治、社会、経済情勢や国際経済情勢などを的確に判断しながら、新しい経営戦略と戦略的マネジメントを打ち出して対応してきたのです。

いまや、そうしていかなくては、企業の 生き残り 勝ち残り は難しいのです。
また、その会社で働く社員もその状況変化に対応した生き方をしていかなければ、会社の発展は望めません。ましてや社員自身の福祉を保障することも難しい時代になってきているのですから。

企業(法人)は、社会的存在であり、「公」のためにあるものです。そう考えると、そう簡単に滅んでもらっては、社会が困るのです。
「公」的存在である会社は、経営が危なくなってからの蛻変では本来遅いのです。体力のあるうちに蛻変、革新をこころがけるべきなのです。

いまわが国では、少子化、高齢社会の進展から人口減、市場の縮小という市場構造の変化、国際社会ではBRPCsの台頭などにより海外市場での競争も激化していきます。過去に誰も経験したことのない前人未到の社会に突入したのです。

企業経営者は一刻も早く蛻変、経営革新に取り組む必要が出てきているのです。
脱皮して生まれ変わるのです。過去の延長線上ではなく過去の殻を脱ぎ捨てて生まれ変わるのです。

このことに気づいて早く動きましょう。JALの破綻問題からこんなことへと思いを馳せました。また、稲盛氏については以下のようなエピソードもあります。

経営の神様といわれる松下幸之助氏がある講演で、「ダム式経営」(資金も人もすべてダムに水をたたえるがごとく余裕を持って経営をしなければならない)ということを語った時のこと。どうしたらそのダム式経営ができるか、その手法を聞きたいという質問があり、その答が、「どうしたらできるかわたしもようわかりませんが、とにかくダム式経営をしたいと強く願うことですわ」、とのこと。創業間もない京セラの総帥・稲盛和夫氏は、この意表をついた答えを聴き、頭に電撃が走り「とにかく願うことですわ」という松下氏の言葉が魂を貫いたとのことです。経営に“絶対”はあり得ません。すべての決定や選択は、その時点ではうまくいくかどうか分かりません。しかし、まず「強く願う」という京セラの信条が生まれたのはこの時とのことです。

現状打破のため3年後5年後のあるべき姿を描き強く願いましょう。

経営上のお悩みごとがあれば、NPOみなと経営支援にご相談ください。

中小企業診断士  渡邉 勲

メールはwatanabe-bsl@nifty.comまで願います。


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